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銀色の恋

第5章 木ノ葉隠れの里



「ごめんなさい…あたし、小さい頃の記憶なくて…」
よくわからないけど申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
あたしの答えを聞いて、カカシさんは「やっぱり」とつぶやいた。

「変な質問をして悪かった。そう、君は何も知らないはずなんだな…。すまない」

予想した以上にがっかりとするカカシさんを見て、慌てて付け加えた。
「でも!この場所、なんだか見覚えがあるような気がします…!」
嘘ではなかった。こんな森の中、家の近くにあったはずもなく、もちろん遊んだ記憶もないはずなのになぜか懐かしかった。

こころなしか、カカシさんの表情が和らいだ気がした。
「カカシ、そろそろ火影様に報告しに行った方がいいんじゃないか?」
全身緑のタイツを着た、ガイさんが声をかけた。

火影様…?
誰なのかさっぱりわからないが、とりあえず今は質問しないでおく。おとなしくしていよう。

「ま、確かに里を出発してから一週間ほど経つからな。それじゃ、森を出るか」
よしっ!と膝を叩いて立ち上がったカカシさんは、座っていたあたしに手を差し伸べてくれた。

「立てるか?」同時に湊先輩が声をかけてくれた。ちらっと先輩がカカシさんを見たのは気のせいかな。

カカシさんは、少し驚いた表情をしたが、すぐに真顔に戻って手を引っ込めた。

「さ、じゃあ火影様に会いにいくぞ」
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