第5章 木ノ葉隠れの里
目の前でハリウッド映画でも観ている気分だった。こんなド迫力のあるものなんて見たことなかった。
水龍は火の球を喰らい尽くすと敵に噛みつきに向かう。
「うわぁぁぁあああ!」
みるみるうちに流されていく敵を後ろにしてあたしたちはあの窪みにたどり着いていた。
「あ、ここ…」
「ここから里に帰るんだ」銀髪の男はそう言うと手を様々な形に組んでいった。
「解!」声と同時に窪みが光り始めた。
「階段を上って。ほら、先に行くんだ」
男はあたしを抱えた湊を先に行くよう促す。先輩はためらいを少し見せたが、後ろから追ってくる敵の声を聞くと決心したように光の中に足を踏み入れた。
辺り一面真っ白で、さっきまで近くに感じていた先輩の気配も、いつの間にかなくなっていた。たぶん移動しているんだろうなぁと思いながらだんだんと意識が遠のいていくのが感じられた。
次起きるのはいつだろう…
あの銀髪の男は誰だったんだろう…
今度は名前を聞いてみよう──