第4章 覚醒した能力
「これ、炯妙眼(けいみょうがん)じゃ…!」
一人の男が歓喜の声を上げる。やった!俺たちついに見つけたんだ!と次々に喜び始めた。
あたしはなんのことかさっぱりわからなかったが、とりあえずこちらにとっては良くないことだとは理解できた。
湊先輩の顔をしたやつがニヤつきながら言う。
「お嬢ちゃん、一緒に来てもらおうか」
まずい─本能的にそう思うと、おじさんのあるおまじないを思い出した。
『ユズ、いいかい?この先危ない目に遭うかもしれない。そうしたらこんな風にして手を組むんだよ。悪いことにはならないから』
奇妙な手な動きだった。小さい頃から言い聞かせてられてきたが、あんまり信じてなくて使ったことはない。一か八かで使ってみることにした。もうこうなったら神頼みでもなんでもする。
サッサッ
あれだけ練習させられていたから、もう手が覚えている。
こんなおまじない、役に立つのかな、でも効いてほしいなと思っていると敵の悲鳴が上がった。
そちらを見て驚愕した。手が凍っていたのだ。