第12章 本当のfirst kiss
side妃莉
ツナ君の顔が近づいてくる・・・
私は恥ずかしさから思わず目を瞑ってしまう。
少しするとツナ君の吐息と体温を
感じたんだけど・・・・
その場所は私の唇の端っこだった。
ツナ「ご、ごめん・・
ちょっと外れちゃった・・・///
俺キスするの初めてで・・・」
『クスッ・・・ツナ君かわいい』
ツナ「かわいいって・・・」
そう言ってツナ君が頬を膨らませた。
そういうところがよけいに可愛いんだけどw
『私も好きな人と
するのは初めてだよ・・・///』
ツナ「”好きな人とするのは”・・・」
ツナ君の顔がくもる・・・。
きっと今私と初めて会った時の事を
思い出しているんだろうな・・・。
私が今までキスしたことがあるのは
全部”無理矢理”だったから・・・。
『私と初めて会ったときのこと
思い出してる?』
ツナ「あ・・・」
図星だったみたい・・・。
『もしかして、今まで違う人とキスしてきて
汚れてる私となんかキスしたくなかった・・?』
ツナ「そんなこと思ってないっ!
妃莉ちゃんは汚れてなんかないよ・・・っ。」
ツナ君は自分のことのように苦しそうに言う。
『ツナくん・・・』
ツナ「もう一回キスしてもいい・・・?
今度はちゃんと唇に出来るように
頑張るから。」
『クスクス・・・
うん、いいよ。』
ツナ君の顔が再び近づく・・・・
今度は少し恥ずかしかったけど、
最後までツナ君の顔が見たくて
目を開けたままでいると・・・
近づいてきていたツナ君の顔が止まる。
ツナ「妃莉ちゃん、目閉じて・・・?」
『えーどうして?』
ツナ「恥ずかしい・・・///」
『クスッ わかったよ。』
目を閉じると、チュッという音とともに
私の唇にツナ君の唇が重なった。
そっと目を開けると
ツナ「できた・・・」
とホッとした顔でツナ君が呟いていた。
そんなツナ君を見ていると
愛しく感じて、またクスクスと笑ってしまった。
ツナ「え?なに?」
『あ、ごめん。ツナ君がちゃんと
唇にできてホッとしてたみたいだから』
ツナ「もう・・・。
さっきからカッコ悪いところばかり
見られて恥ずかしい///」
『カッコ悪くなんかないよ』
ツナ「え・・・?」