第8章 34日目
「…ほんとにわかりやすいなあ」
「何急に。
大体、あなたに言われたくないよ!」
「結局相葉さんのこと、
大好きなんですよね?」
「ちょっとやめなさいよ、」
「ふふふ」
「おい、こら」
「あ、やめて~!くくすぐったい!」
二宮くんが反撃するように私の横腹を突っついたと思ったら、急に動きが止まる。
「相葉さんより好きなもの、
ありますけどね」
「え…?」
「教えてほしい?」
「う、うん…」
私の顔をじっと見つめ、視線を離さない彼が意地悪な顔をして。
「…ホントにわからない?」
「…わ、ワカラナイナあ、」
なんて、かなり期待している私。
真面目な顔をして、ゆっくり近づいてくる彼に私の顔は、次に出てくる甘い言葉を想像して、自分でも火照っているのがわかるくらい。
そんな私を見てまた意地悪に笑う彼が、やっと口を開いた。
「ハンバーグ」
「……………」
「はんばーぐ」
「え?あ、は、ハンバーグ?」
「うん、の方が好き、相葉さんよりも」
私がガクッと肩を落とすと、彼が堪えるようにして笑った。
「…ふっ(期待してた、今絶対期待してた)」
「…お、美味しい、もんね…」