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アンバランスな恋模様Ⅱ

第15章 41日目







住久くん達と別れて帰る道中、
携帯の着信音が鳴る。



相手の名前に戸惑うなんて
一緒に住んでいるのにおかしいことだ。





ふう、と一度息を吐いて
通話の文字に触れた。




「もしもし」

『…?』




私の名前を呼ぶ声のいつもとは違う、
甘えるような優しいトーンに
不安で胸が締め付けられる。



「うん、お疲れ様」

『外?』

「うん、ご飯食べて来た、
 今帰ってるよ」



いつもと変わらない会話をして
平然を装うも胸の中はザワつきがやまない。



二宮くんは、
今誰と何をしているの?






「…、」




溢れそうになった喉の奥の感情を
ぼやける視界の原因と一緒に飲み込んだ。




『すぐ、帰るから』

「うん、わかった」

『…そしたら、話したいことがある』

「…う、ん、わかった」

『…?』






もう、その呼びかけに声が出せずに。



「じゃあ、」



とすぐに電話を切る。






バレたくなかった、
なんの感情かもわからない
そんな涙が止まらないなんて。



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