第7章 33日目
暫くして、満足げに「はい、どうぞ」と見せられたソレは、お世辞にもうまいとは言えない。
「………は、あ」
そんな反応しかできない私。だ、ダメだ、嘘がつけない。
「なにその反応」
むしろ私が問いたい。なぜこのクオリティーで自信があったんですか、二宮さん。
「嬉しくないの?」
「う、嬉しい嬉しい!」
慌ててもう1度白い紙に視線を移すと、彼の書いてくれたその絵には「わたしの」という綺麗な文字。それは彼が書いた、という意味のサイン。
「他に誰が描いたって言うんですか」
丁寧な彼に笑うと、 「違う」そう言われた。