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アンバランスな恋模様Ⅱ

第7章 33日目










「知ってる?」



彼が下顎を引いて、首をかしげた。



「何を?」

「俺もね、上手いよ、絵」

「え、そうなの?」



初耳だ。テレビでも彼の描いた絵なんて見たことがない。



「描いてあげるよ、あなたを」

「え、あ、今?」

「うん。ほら、こっち向いて」



私は正座をして彼に体を向けた。

得意げな顔で机にベッタリ張り付く彼。私をチラチラ見ながら動かす左手はリズミカルに音をたて、その真剣な顔つきはまるで小学生。





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