第7章 33日目
「ほんと、上手いよねえ」
そう言いながら私の横にフワリと近づくと、お風呂上がりの彼からは同じシャンプーの香りがしてついニヤける私。
もう一緒に住んで何日も経つのにまだこの状況に慣れない私は順応性がないんだろうかと、少し不安になるくらいだ。
黙って彼を見つめていると「なに?」とこちらに視線を向けられる。
「…髪、濡れてるよ」
首からかけられているタオルはその役割を果たしておらず、彼の髪の毛は半乾き。
いつか言ってた気がする。めんどくさがりの彼は自然乾燥派なんだ、と。
案の定、「いつか乾くよ」とめんどくさそうに。
「風邪ひくよ?」
「そしたら看病してくれる?」
「そういうことじゃないんだけどな」
「あ、そう?」
んふふ、と笑った彼が話を戻して。