第7章 33日目
「二宮くん」
「なあに」
私は大きなテレビを目の前にして座り、少し離れた椅子に座って珍しく明日の予定表を確認中の彼に呼びかける。
「大野さんって絵、上手だね」
テレビでは大野さんの独学で描いたという、個展の絵が披露されていた。
二宮くんとお付き合いするようになって、嵐のことを知るようになった。もちろん、嵐の存在は知っていたが、個々の詳しいことは残念ながら知らず。初めて大野さんの絵を彼から見せてもらった時には正直驚いた。
歌って踊れて芸術的な感性もあるなんて。
「大野さんって一体何者なんだ」そう問いかけると、二宮くんはふふっと笑って「ただのおじさん」なんて。