第5章 31日目
リビングへ行くと、そこにはやっぱり彼からの手紙があって。
ただいつもと違うのは三角の、白いおにぎりが2つ、お皿に乗っていたこと。
まさか握ってくれたの?あの二宮くんが?
先程までの寂しい気持ちがスッと消え、隣にあるいつもの彼の字を読み始めた。
へ
最近忙しくてごめん。
せっかく一緒に眠れるのに、
色々出来なくて残念です。
悔しいのでみかんゼリー食べました。
ぶどうは私のだから食べてはいけません。
今日も元気に行ってきます。
PS.
ぶどうゼリー食べてもいいけど
その時は覚悟してね。
あ、特製おにぎり作ったから
必ず食べて行きなさいよ!
和也
なんだか彼の思いにほっこりしていると、時計の針が視界に入る。
「………、…いけない!遅刻」
私はその場に手紙を置いて急いで支度を始め、すぐに家を出た。
彼の作ってくれた、おにぎりを鞄に入れて。