• テキストサイズ

アンバランスな恋模様Ⅱ

第4章 30日目











「え」

「思い出に浸れないくらい
 私でいっぱいにしてあげるから、覚悟して」



そう言って私の頬を指で撫でる彼の、目を細めて左の口角をあげるその顔に心臓が暴れだす。



「…だっ、ダメっ…」



耐えきれない心臓を守るため、自分の視界を手で覆うと、それを剥ぎ取られてそこに見えた笑顔。



「ダメじゃない、ほらちゃんと見て」



何かを企む、ズルい微笑みは私を逃がしてはくれなかった。



「……っ」



近すぎるその熱い視線が恥ずかしくて、視界が少し滲むと



「…ねえその顔、ずげえ好きなんですけど」



と囁かれる。






/ 141ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp