第4章 30日目
「馬鹿なのかなあ、馬鹿なんだよね?」
追い詰められるような上から降り注ぐ言葉に、彼の顔が怖くて見れない。
「……」
「思いやられる、この先」
「……」
そりゃあ私が10、0で悪い。そうなんですけど、わかってるんですけど、そこまで言う?
悔しくて、いつもはしない言い訳をしてみることにしたけれど
「…思い出が懐かしかったんだもん」
「じゃあずっとその
写真の二宮くんと思い出に浸ってれば?」
アッサリ言い返されてまた黙り混んだ私。
「…おに、」
「はい?」
「二宮くんの鬼!冷血!
いいじゃん少しくらい思い出に浸ったって!
この家には二宮くんとの思い出が
いっぱい…いっぱいあるんだから!」
ジワジワと目頭が熱くなる。グッと堪えて涙を奥に引っ込めた。
ばかだ、二宮くんに口で勝てるはずなんてないのに。