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アンバランスな恋模様Ⅱ
第3章 29日目
ん、と左の頬を私の前にグイッと寄せる。
「…あ、え、え?」
その突然の行動に戸惑いが隠せない私を横目で見て、また言葉を付け加える彼。
「ほら痛いよ私」
「え、」
「早く」
「な、んで」
さっきまである一定の距離を保っていたはずなのに、いつの間にか彼が喋る度に私の頬に息がかかる距離。
もうこれじゃあ頬じゃなくて唇がくっつきそう。
「…、」と耳元でワザと囁くその吐息のような声に耐えられなくなって、ギュッと目をつむった。
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