第2章 28日目
「…二宮くん、上手だね」
またダンマリになる彼に構ってもらうために 口を開く。
「なにが?」
「髪の毛。上手く出来ないよこんなこと」
私のまだ巻き終わらない髪の毛を、右手でサラッとかきあげた。それが微妙に耳に当たってなんだかくすぐったい。
「サラサラ」
突然そんなことを言い出す彼。それは、褒めているのでしょうか。
「う、ん?あ、りがとう」
「俺と違う匂い」
私の長い髪の毛先を持ち、自分の鼻へと近付け、上目使いで私を見る。
その視線につい視線を逸らしてしまった。私はまだ彼のこの視線に慣れずにいる。
「…シャンプーが「一緒がいい」
「…はい?」
「あなたの匂い好きだけど、 一緒がいい」
えーっと、それはシャンプー変えよっかな発言でしょうか。