第2章 28日目
発言の意図が掴めずに私がポカンとしていると、はあ、というため息をワザと大きめに吐いてみせる彼。
左手に持ったままのコテを下に置き、首を少し右に傾け、私の顔を除きこむようにして言った。
「なんで俺がわざわざこんな早くに来て、
こんなことしてるか、わかってる?」
「………」
一瞬目が合って、すぐに答えが出なかったので右上を向いた。今私が頭の中に持っている全ての引き出しを勢いよく開けてみたが、ただ頭の中が散らかっただけで、彼の質問に対する答えらしい答えが1つも見つからなくて。
「…わかりません、」
やっぱりバカでごめんなさい。