第13章 39日目
パタンと楽屋の扉が閉まると同時に
ソファの背もたれに体重を預け天井を見る。
まだ残る、美嘉の甘い香りに
はあ、という深いため息を吐いた。
「…また一難?」
と翔ちゃんが上目遣いで俺を見る。
「んあぁ、めんどくさい」
「珍しくニノが転がされてる感じ」
「なんで!?美嘉ちゃんあんな子だったっけ!?
俺ちょービビったんですけど!」
と言う相葉くん。
そんな2人に
「モテる男は辛いぜ」と笑って見せた。
美嘉があんな風になったのは
俺のせいだから
しみったれた顔なんて出来ない。
ポケットから携帯を取り出して
メールを送信する。
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TO:
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件名:Re
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今日も遅くなるから先寝てて。
飯、いらないよ
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程なくして「わかった、お仕事頑張って!」
との返信が入る。
「…仕事じゃ、ないんだけど」
悪いことはしてないし
美嘉とどうこうなるなんて
絶対ないし、…ないんだけど
なんだろう
に嘘をついた気がした。