第12章 38日目
「にのみ、パパよりもつおい!?」
「うん、パパはにのみの次に強かったかな。」
「パパよあい!」
「だからは諦めなさい、」
「うん、わかった!」
その瞬間、さっきまでしがみついていた隆太が私からパッと離れ、ハンバーグの準備されたテーブルへと向かう。
「ハンバーグ、ハンバーグ!」とハンバーグ躍りをする隆太はもう結婚するリストから私を外したんだ。
なんだか…振られた気分です。
「…にのみさん、大人気ないです。」
と言うと、悪い顔した二宮くんが、ふふふっと笑った。
「ああいう若い芽は、早いうちに刈り取らなきゃね。」
そう言い残して、二宮くんが隆太のそばに行く。
隆太と二宮くんがじゃれる姿を見て、未来を想像してしまった。今すぐになんて願わない。いつか、いつかもし一緒になれるなら、こういう日もあるんだろうなと、胸が暖かくなる。
「りゅうた、なにその踊り。」
「りゅうたハンバーグすきー。」
「にのみのちゃんは
いっつもハンバーグばっかだぜ?」
「いーなあ!まいにち!?」
「うん、毎日。」
「りゅうたもまいにちハンバーグがいー!」
「にのみみたいに格好良い男になったら
毎日ハンバーグだな。」
「ぼく、にのみになるー!」
「はっはっは、早く私を追い越してみなさい。」
「おいこすー!」
「ーりゅうたが俺みたいな格好良い男になりたいんだってー!」
…本当に二宮くんは子供が苦手なんだろうか。