第12章 38日目
「りゅうた、ご飯だよ。」
「はあい!」と言って隆太が準備の出来たテーブルの前に着席すると、二宮くんが隆太の背中をポンポン叩いて、「立ちなさい」の合図をする。
「ほらりゅうた、お前手洗ってないよ。」
「りゅうた、お手てきれい!」
隆太が二宮くんに小さな手を2つ、パーして見せる。
ウンともスンとも言わない二宮くんがその手をぎゅっと掴み、上に引き上げると、隆太が自然と立ち上がる形になった。
「はーい、行きますよ。」
「ちゃあん」と私に助けを呼びながら、引きずられるように消えた隆太に笑ってしまった。
なんだ、かなり仲良しじゃないか。