第11章 37日目
「あ、あし!?」
「久しぶりに会う同級生が急に女になって現れたら、ほっとかないよ、男としては。」
二宮くんがソファーに座ったまま、上目遣いで首を傾げるように私を見る姿が、そのセリフとはアンバランスで。可愛いくって。
「に、二宮くん、…ふふふ。」
思わず笑いがでると、二宮くんが少しだけ不満そうな顔をした。
「ねえ、さっきから笑いのツボが違いすぎて驚くんだけど。」
「これは面白い方の笑いじゃなくて、嬉しい方の笑いです。」
「もう、嫌味が通じない人って疲れるわ!」
「ふふふ、あーあ、なんで今日なんだろ。」
「なにが?」
「…同窓会、行きたくなくなってしまいました。」
二宮くんとの休みが一緒になることなんて、珍しい。そんな時に限って私に用事があるなんて。