第17章 赤い月夜 [木兎×赤葦]
~赤葦side~
「もう俺にトスあげんなーーーーーーーーーー!!!」
そう言って早数時間・・・
今回は本当にヤバい。
木兎さんの『しょぼくれモード』は、基本試合中に発動して、結局その試合中には回復する。
でも、今日の練習試合はひどかった。
相手は、梟谷に次ぐ強豪チームで運悪く木兎さんの調子が悪く惨敗だった。
そのせいでしょぼくれモードがずっと続いていた。
「木兎さん・・・」
練習終わり、声をかけてみたがガンとシカト
「・・・・・・。」
若干イラっとした。
とりあえず、今日は彼が家に入るまでついていくことにした。
「・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
あっ・・立ち止まった。月を・・・見た?
また歩き出した。
きっと木兎さんも俺がついて来ているのに気付いているはず・・・
なのにこの沈黙・・・・・
さすがにイライラがピークになった。
とうとう、木兎さんの家に着いた。
木兎さんは、そのまま家に入った。
「・・・・・・・・・・・・・。」
頭の中で何かが切れた。
(いい加減にしろよ・・・ヘタレ彼氏・・・・!!)
と、意気込んで木兎さんの家のインターホンを鳴らした。
インターホンを鳴らし扉の前で待っていると・・・
ガチャ・・・・ガシッ!!
!!??
突然中から急に現れた腕に掴まれた。
「あかーし・・・つっかま~えた」
と、ニヤッと笑う木兎さん。
(あぁ・・・梟に食われた・・・。)