第15章 赤い月夜 [青根×二口]
~二口side~
「オーイ、青根~。帰るぞ~」
「……(コクン)」
春高前の練習後、主将になった俺は青根と残って施錠をした。
「はぁ~…やっぱ主将って大変だな…今でこそ茂庭さんの貫録がすげえって思えるわ」
と、本音を言ってみた。
すると、青根が本気の顔で俺を見た。
「・・・・・・。」
「・・・あぁ~もぉ・・分ぁってるよ。俺がしっかりしないといけねえよな。今の鉄壁の主将は俺だもんな」
「・・・・・・・。(コクン)」
青根は安心したようだった。
途中まで同じ道を歩く俺と青根。
その途中で・・・
「っつか、今日って変な月だな。」
と、空を見た。
見上げた先にはいつもの月ではなく太陽のように赤い・・・・
「・・・っっっ!!」
突然眩暈が襲ってきた。
(な・・・なんだ・・・あ・・・青根・・・・)
と、薄れる意識の中で青根を見た。
・・が、青根は野良猫と戯れていて全く気付いてはくれなかった。
(・・くそ・・・青・・・・根・・・・・・・)
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(ん・・・あれ・・俺は・・・・)
「おい、青根。何してんだよ早く帰るぞ。」
(えっ、何でおれ喋ってるんだ?)
「・・・・(コクン)」
青根は猫を逃がし立ち上がった。
「ほら・・・」
と、手を出す。
(ちょ・・!!なんで勝手に手が・・・・)
俺の手は、俺の意志に反して青根の前に差し出した。
「・・・・・・・・・・。」
青根は完全に疑いの目だ。
「・・・やっぱすぐ分かるわな・・。」
と、手を戻した。
「俺は、ヴァンパイヤだ。君の彼氏君の体、借りちゃいました。」
と、ヘラっと笑った。
「っつうことできみの血・・・もらうね」
と、俺の体は青根に触れようとした。
その時、青根が・・・・・・・・