第14章 赤い月夜 [松川×花巻]
「花!!」
俺は、部屋の扉を開けた。
そこには、さっきよりも息が上がり苦しそうな花がベッドの上に横たわっていた。
「花!!!」
俺は、カップを机の上に置き花の体に触れた。
「はぁ・・はぁ・・はぁ・・はぁ・・」
「おい、花。大丈夫か?」
花の顔を見た。
花は、目が虚ろで顔も赤くとても苦しそうだった。
『彼、苦しそうだね~。早くなんとかしてやんなよ』
「なんとかって・・」
と、聞こえるだけの声に応えていると・・・
ガシッ・・・
花が俺の服の裾を掴んできた。
「はぁ・・松・・・く・・苦しい・・・」
「・・・!!!(ドキッ)」
『ほら、早く♪』
「・・・・・・。」
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「は・・・花・・・」
今も息の荒い花の肩に触れた。
「あっ・松・・・」
触れただけで体がビクッとした花。
触れた肩からゆっくり首にかけて手を移動させた。
「んんん~~・・・」
花の体がゾクゾクと動いていた。
「お前、どうしたってんだ」
「はぁ・・分からねえ・・・ただ・・・」
「ただ・・・?」
「はぁ・・すげえお前に触れたい・・・触れられたい」
その花の顔は、今まで見たことないくらいトロけきっていた。
頭を撫でるだけで高揚し、耳元で囁くだけでゾクゾクと体を震わせていた。
「花・・」
俺は花の頬に手を当てた。
すると、花は俺の手に口を近づけ舐めはじめた。
チュ・・・くちゅ・・・
吸ったり舐めたりと続けていたら、突然・・
ガブッ・・・
「いっ・・!!!」
花は、俺の手を噛んだ。
「花!!やめろ!!」
花から手を離そうとしたが歯が食い込んでいて引き抜くことができなかった。
それどころか、花は噛みついた手から流れ出た血を吸い始めた。
「んっ・・んく・・・」
すごくおいしそうに血を飲んでいる花
「は・・・花・・・・」
『あぁ~あ、彼もだね』