第10章 赤い月夜 [澤村×菅原]
~菅原side~
ん・・・、
なんだ・・・?
ここは・・・
真っ暗・・・・・。
あれ・・・? 光・・・・?
(大地?!)
「もう一度だけ聞くぞ、お前は誰だ?」
えっ・・?
(何言ってんだよ大地・・・・・!!???)
大地の姿は見える・・でもしゃべれない・・体も動かない・・・。
(なんだ?これは!!)
「俺は、君の知ってるスガだけど、ホントのスガじゃない。いわゆる、ヴァンパイヤのスガだよ」
(ヴァンパイヤの・・俺?どういうことだ?)
俺は、窓から月を見てて、突然目の前が真っ暗に・・・
まさか・・・オレ、ヴァンパイヤに体を乗っ取られたってのか?
「やめろ!!」
大地の声が大きくなった。
大地!!
俺が見ているのは、両手を拘束されて制服を脱がされている大地だった。
(何やってんだ・・・おい!!大地に手を出すな!!!!!)
『うるさいな・・ちょっと黙っててよ』
俺の声が響いた。
(お前が、俺の体を?)
『あぁ・・・そうだよ。赤き月に魅せられた男子は・・・ヴァンパイヤに体を・・貸さないと・・・いけないんだよ。』
(そんなことはいい!!大地に手を出すのはやめろ!!)
『やめるわけないじゃん・・こんなチャンス絶対に・・』
(やめろ!!!やめてくれ!!)
『大丈夫だよ・・君の大地にはひどいことしないから・・。』
(お前・・・・!!!)
『だから・・・ちょっと黙っててよ。』
(うわあ!!!)
突然、また深い闇に包まれた。
(大地!!!! 大地ーーーーーーーーーー!!!!!!!)