第39章 獣の願い [黒尾×灰羽]
そして無事、大王オイカワを倒すことができた
残ったのはクロオ
でも、ヒナタ達はクロオには手を出さなかった
「おい…なんで…俺を…」
「・・・早く、リエーフの所へ行ってあげてください」
ヒナタが倒れているクロオを見下ろして言う
「えっ…お前ら、リエーフを殺したんじゃ…」
「殺したよ、一回はね」
と、説明したのはケンマ
「でも、殺して術が解けた後俺が蘇生魔法で生き返らせた」
「蘇生魔法…!?お前…それ!!」
「そうだよ…蘇生魔法は一時的に生き返らせるだけで、本当に息絶えちゃったら…その者は完全に消滅してしまう。つまり、リエーフは消えちゃう」
「・・・ッ!!でも俺には・・・もうあいつに会う資格なんて…」
「リエーフは!!!」
クロオがそっぽを向こうとした時、ヒナタが泣きながら叫んだ
「リエーフは…ッ……最後まであんたを信じてた!!悪いのはダイオーサマだって!!」
「・・・チビちゃん…」
「リエーフ…あんたを待ってる…だから…早くッ…」
と、涙をふくチビちゃんの袖には大きなもので引き裂かれたような跡・・・
チビちゃんも・・・辛かったんだ・・・
あんなに仲良かったもんな・・・
リエーフ・・・・
ごめん・・・
俺は・・・お前に会って話さないとな・・・・
俺は、かろうじて動く身体を起こしてリエーフのいる広間へ向かった