第39章 獣の願い [黒尾×灰羽]
遠くで、獣のうめき声が聞こえる
きっとリエーフだ・・・
「クロ君、もう忘れな。ここにチビちゃん達が来るってことはリエーフを殺したってことなんだから」
「・・・あぁ」
最初から分かっていたことだ。
オイカワがあいつを作った時点で、あいつは兵器も同然
最後には勇者たちと戦うときになったら・・・
でも・・・・!!
「だいおーさま!!!!」
と、俺たちがいる広間に響き渡る声
それは、勇者様の声
奴らは、こんなにも早くリエーフを倒してしまうなんて・・・
「やぁ、早かったね。もうリエーフ君を…ッ!!」
と、オイカワが言葉を終える前に攻撃を仕掛けたのはほかでもないイワイズミだ
「っざけんなクソカワ…いい加減その腐った性根を正してやんないとな!!!」
と、大きな剣を振り回すイワイズミは、ひどく怒っていた
それは、普段あまり怒らないケンマもだった
「クロ…ホント最低…」
「・・・。」
「ダイオーサマ、トサカヘッド・・・今すぐ殺す・・・!!」
とつぶやくヒナタは、今までになく怖い顔をしていた
大魔王様のオイカワですら、一瞬怯えるほどだった
「行くぞ・・・ヒナタ・・・・!!」
「おう・・・!!!」
と、怒りに満ちたヒナタとカゲヤマ
その2人の速攻が激しくオイカワとクロオに襲い掛かる