第39章 獣の願い [黒尾×灰羽]
《ヒナタ……聞こえるか……?》
「うん!!聞こえるよ!!」
と、ヒナタにしかリエーフの声が聞こえないから、他の4人は戸惑っていた
「今だ!!」
と、イワイズミが獣に切りかかる
「イワイズミさん待って!!!」
と、ヒナタがイワイズミを止めた
《ヒナタ…お願いがある…》
「うん!!今助けてあげるから!!」
《違うんだ…ヒナタ…お願い……》
《・・・・クロさんを・・・・助けて・・・》
「えっ?」
《お願いヒナタ…クロさんを助けて!!》
リエーフからのお願いは意外なものだった
「でも…あのトサカはリエーフを…」
《クロさんじゃない!!あのダイオーサマのせいだ!!》
「それはそうだけど…」
「ヒナタ!!お前いいかげんにしろ!!」
と、カゲヤマもイワイズミもアオネもそろそろ限界だった
それぞれが武器を持って獣のリエーフに攻撃していく
「待って!!リエーフはッ・・・!!」
と、ヒナタが止めようとした瞬間、獣のリエーフは日向めがけて攻撃してきた
しかし、それを防御魔法を作動させたケンマが防いだ
《ヒナタ・・・お願い・・・俺を殺して・・・ダイオーサマを倒して・・・そして・・・クロさんを・・・》
『グォオオオオオオオオオオ!!!!!!』
リエーフの声が獣によって掻き消されたが、ヒナタはリエーフの声がしっかり聞こえた
そして、ヒナタは片割れで防御しているケンマに言った
「ケンマ・・・お願い・・・」
と、ケンマに何かを伝え自身の剣を抜いた
「ヒナタ?」
「カゲヤマ・・・いつものやるぞ・・・」
と、剣をリエーフに向ける
「リエーフを・・・倒す!!!」
と、ヒナタは涙を浮かべながら剣を振り上げた