第39章 獣の願い [黒尾×灰羽]
「たのもーーー!!!!」
あれから数か月・・・
ようやくチビちゃん達が城にやってきた
「・・・クソオイカワ・・・!!」
「待ってたよ、岩ちゃん。そしてトビオ…ちびちゃん」
城の正面にオイカワが勇者達を待っていた
でも、オイカワはとても余裕だった。
なぜなら、とっておきの切り札があるから
「さぁ、チビちゃん達。奥においで。とびきりのおもてなしをしてあげる」
と、ふわっと闇に隠れるオイカワ
「待て!!ダイオーサマ!!」
「おいヒナタ!!迂闊に突っ込むな!!」
「あいつ、きっとなにか仕掛けてくる。気を引き締めろ」
カゲヤマもイワイズミもいつになく真剣な顔
アオネも事の重大さを分かっているが、どこか不安そうな顔
「ショウヨウ…」
白魔道士のケンマがヒナタに忠告する
「・・・何が出てきても、迷わないで」
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カツン・・・カツン・・・・
俺は地下に向かっている
ここは、強い魔力をもつモンスターなどを閉じ込めておくために檻の中に陣が組まれている
「・・・リエーフ」
「…ッ…クロ…さ…ん」
檻の中にいるリエーフは、力を押さえられて苦しそうだった
俺は、魔法陣に手をかざす
すると、リエーフを取り巻いていた魔法が消えた
「はぁ…クロさんひどいっすよー俺をずっと一人にするなんて!!」
と、いきなり抱き着いてくる
・・・やっぱりリエーフはリエーフだな・・・
「行くぞ・・・」
「えっ・・・?」