第39章 獣の願い [黒尾×灰羽]
「君は俺の力で人間にしたの。君、俺に従って?そして勇者を…」
と、ツラツラと言葉を並べる
でも、そいつはまがいなりにもライオンの子
オイカワを威嚇している
「大丈夫だよ、君を痛い目には…ってギャアァァァァ━!!!」
バカなオイカワが、そいつに手を触れようとした瞬間そいつに噛まれた。
「痛い痛い痛い痛い!!離してー!!!!」
と、2人で暴れている
俺は見てられずに、拘束の魔法でそいつを捕まえてオイカワから引き離した
「うぅ…ありがとクロ君…。」
「ったく、主のお前が噛まれたらどーすんだよ」
と俺はオイカワに文句を言いつつ、そいつを見る
拘束されたそいつの表情は、怒りや恨みに満ちていた。
きっとオイカワが、こいつを手に入れるためになんかしたんだろうな
「お前、言葉わかるか?」
俺は、目線をそいつに合わせて話しかける
すると、そいつは少しだけ怒りがおさまり俺の言葉にコクンと頷いた
「名前は?」
と聞くと、ふるふると首を横にふる
「……オイカワ」
「うぅ…何?」
と、オイカワは怯えながら柱にしがみついていた
「こいつの名前、俺つけていいか?」
「うっ…いいよ」
と言われたから、俺は拘束の魔法を解く
「よし、お前の名は…ライオン……レオ……は普通か。……じゃあ……おっ」
1ついい名前を思いつき、俺はそいつの頭に手を置いた
そいつは、手を置いた瞬間身体をビクッとさせて身体を固くさせた
「……『リエーフ』」
「………?」
「お前の名前、リエーフでどうだ?」
「……リエ……フ?」
そいつ…リエーフは俺の顔をみながら教えた名前をつぶやいた
「なんだよお前、しゃべれるのか。まぁ人なら当然か」
俺は手をはなしリエーフをみる
「リエーフ、これからお前の世話は俺がする。だから、安心していいぞ」
それから、俺はリエーフと共に過ごすようになった。