第39章 獣の願い [黒尾×灰羽]
「さぁ、獣の姿を捨て我が剣となり盾となり我に従え!!!!」
と、オイカワは呪文を唱えた。
すると、魔方陣に記された文字が光を放ちライオンの子を包む
『!!!!!! ニ゙ャアア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!!!』
空間を切り裂くような獣の悲鳴
この魔法は、かなり動物の体には辛いもののようだ
今日までに、何匹もの動物を使ってきたがすべて魔法の力に負けて死んでしまっていた
だから、きっと今回も・・・
『ニャアア゙ア゙ア゙ア゙ア゙アアアアアア!!!!!!」
「なっ!?」
「おぉ!!きたか!?きたか!?!?」
ライオンの叫び声が、人の叫び声に変わった
そして、魔方陣のなかで苦しむライオンの姿が変わっていく
「おぉー!!凄い凄い!!クロ君今回は成功したよ!!」
オイカワは、1人で喜んでいる
すると、魔方陣の光が止まった
「で……できたー!!」
隣で喜ぶオイカワを余所に、俺はそこにいる男が目から離れなかった。
ライオンからつくられたその男は、今は陣の中にうずくまっているが見た感じ190近い俺よりもスラッと縦に長くて、髪も綺麗な銀髪
「おはよ☆」
と、オイカワがそいつに近づく
オイカワの声に反応したそいつは、細い身体を起こしてオイカワを見る
その目は、綺麗な緑色をしていて妙に惹きつけられる感じがする