第20章 あなたのせいですよ [赤葦×木兎]
部活後、俺は木兎さんの家についた。
インターホンを押し、家に入れてもらった。
コンコン・・・。
木兎の部屋をノックした。
「木兎さん、一応お見舞いに来ましたよ。」
「・・・・・・・・・・・。」
返事がない
「・・・入りますよ。」
と、ドアを開け中に入った。
部屋の隅に置いてあるベッドの上には布団にくるまり丸くなっている木兎がいた。
「木兎さん、大丈夫ですか?」
モゾ・・・
布団が動いた。
「んぁ・・・。あっ・・あかーし・・・・。」
いつもとはうって変わった弱弱しい声の木兎さん
「……具合はどうですか?」
「あぁ~…まぁまぁ…」
と、布団から顔を出した木兎さん
その弱った姿に…ちょっとだけ理性が…。
「……。あっアイス買ってきましたよ。おばさんに渡しときますから後で…」
「今がいい…」
「はっ?」
と、布団から出て体を起こしている木兎さんがいた。
「今食べたい…」
と、甘えた声と目
「…………分かりました。じゃあどうぞ」
と、コンビニの袋に入ったアイスを渡した。
しかし、木兎さんは…
「あかーし…食べさせて…」
と、あぁ~んと口を開けた。
その愛らしい姿にまたキュンとした。
「………仕方ないですね。じゃあ…」
と、袋からアイスを出し蓋を開け、スプーンですくい木兎さんに出した。
「はい。」
とアイスを差し出すと、木兎さんは嬉しそうにあぁ~ん♪と言いながらアイスを口に入れた。
アイスを口の中で溶かしながら味わう木兎さんはホントにいつものうるさい木兎さんはからは想像つかないくらい可愛かった。
「んっ…美味しい♪もっと頂戴♪」
「はいはい…」
と、またアイスを差し出す
すると、アイスが口からはみ出て垂れた。
しかし、木兎さんはそれに気づかないのか舐めたり拭ったりしなかった。
俺は、その瞬間制御を失った。