第2章 招かれざる者
黒いフードの女は、
このホテルの隠されたステンドグラスの部屋にいた
彼女は白い棺の前に立っていた。
もちろん棺の中には、もう誰もいない
「私は、どうしたらいいんだろう...」
そう呟くと棺に倒れ込んだ。
その女の後ろに男が立っていた
大倉「ここに来てたんだ...」
女は驚いて振り向いた
大倉「横山君が、一人になるなって....」
大倉は、不安げに彼女に言った
彼女は小さく頷き、大倉の前を通り過ぎようとした
その瞬間、大倉は彼女を強く抱きしめた
彼女は、黙って大倉に抱きしめられていた
大倉「何があったの?」
彼女は答えずに、大倉の腕を強引に解いて、
身体から離れた
「ごめんなさい」
そう大倉に伝えると、霧に変わり部屋を出ていった
一人部屋に残された大倉は、
ゆっくりと白い棺に歩みよった
大倉「俺たちの愛が間違いだったとしても、
今度こそ僕は君を守るよ..、大きなネズミから...」
そう呟くと、棺を愛しそうに撫でて微笑んだ