第3章 女
私は一人で歩いていた
向かう先は分かっていた
フロントの奥の部屋だ
彼らはこんなに部屋があるのに
何故かあの部屋でたむろしてた
まるで、一人を怖がっているように、
彼らはバラバラになりたがらない。
私は、彼らの仲間になって思っていた
彼らは永遠の時を生きながら
本当は、
何よりも、誰よりも孤独な命を手に入れた人達なんだと
私も、
愛を手に入れる為にその孤独を手に入れた一人だった....
私は歩きながら考えていた
大倉さんを愛していない訳ではない。
でも、今の私は
彼の優しさに包まれるわけにはいかないのだ
この辛さを彼に知られるわけには....
急いでみんなの元に向かう私の目が止まった
今日の客の彼女が、自分の客室でない部屋に
コソコソと、探るように入って行ったからだ
明らかに怪しい女、、
嫌な予感がする....
彼女を追うか迷っている私の肩を、誰かが叩いた
振り向くと、横山と渋谷が立っていた
「彼女が....」
私がそう言うと、横山は静かに首を振った
そしてゆっくりと目線を下に向け
横山「お前は、自分の身体を考えろ....」
その瞬間に私の顔は赤くなった
「!!」
渋谷が私を、不思議そうに見ていた
渋谷「横、の身体、何処か悪いんか?」
その言葉に、横山は答えなかった...
そして、軽く渋谷の肩を叩き
横山「あの女を調べるぞ」
そう言うと、
渋谷は静かに頷き彼女がいる部屋に入って行った