第10章 ゲームスタート
横山は、
三人を地下のワイン貯蔵庫に連れて来ていた
そこは、とても静かで薄暗く、カビ臭かった
渋谷は少し顔を歪めて
渋谷「ここで、何をすねん?」
鼻を塞ぎながら言った
村上は無数のワインに興味があるのか、
キョロキョロと見て回っていた
横山「ここのワインを動かして、
ラベルでも何でもいいから、
<ネズミ>のヒントを見つけて欲しい...」
三人は驚いた顔をした
丸山「横山くん、どう言うことなん?
ワインに何かあるの?」
横山は、静かに答えた
横山「一番最初に、ここで<ネズミ>の気配を感じたんや、
やからここにヒントがあるはずなんや」
すると村上は一本のワインを手に取り、
村上「なるほどな、ここなら人目にもつかんから何かしててもバレんよな」
横山は頷いた
丸山「分かった、探そうか..」
そう言うと一本、一本、手に取り始めた
その姿を見て、渋谷も動き始めた
四人でワインを動かすので、
本来なら静かな場所にガチャガチャと、
ワイン瓶が擦れ、ぶつかるような音が響き渡っていた
かなりのワイン数なので、
4人が疲れて来た頃に、渋谷が叫んだ
渋谷「あーーっ、何やこれ!」
他の三人が慌てて集まる。
そして渋谷が手にしているワインに注目した。
そのワイン瓶のラベルには、
マリア様の絵が描かれていた。
丸山「こんなワイン、なかったよね...」
そう言うと不思議そうに見つめる
それを見て、横山はニヤリと笑った
横山「尻尾を掴んだな...、
俺たちの反撃スタートといこうか」
そう言うと、そのワインを渋谷から受け取った
渋谷「なぁ、勝てる見込みは?」
意地悪そうに横山に聞いた
横山「それこそ、神のみぞ知る、や。
やけど売られたケンカは買わな、
俺らの吸血鬼のプライドがズタズタになるからな、
今回も勝利してみせるよ」
そう言うと、ワインを片手にその部屋から足早に立ち去って行った。