第9章 血
私は、二人の男性に腕をつかまれ、
引きずられるように、 運ばれていた
錦戸「ア、アカン、
コイツの血の匂いで変になりそうや...」
錦戸は私を運びながら吐き捨てるように言った
その言葉に、私は恐怖していた
安田「勝手な事をしたら、みんなに怒られんでぇ」
安田は軽い感じで錦戸に言った
その言葉を聞き、錦戸はしかめ面をした
安田「ほんまに、亮ちゃんは腹減りさんやねぇ」
呆れながら続けた。
私は勇気を出して、彼らに話かけて みた
「貴方たちは、
ホテルの客の血を飲んでいたの?」
私の言葉に二人は顔を見合わせて笑った
錦戸「そやな、俺らのエサやし。」
ニヤニヤしながら言う
安田「人間が、牛や豚を食べるのとおんなじやしな」
安田はサラッと言ってのけた。
私は何故か頭に来て怒鳴った
「一緒じゃないわよ!私は食べられるのはごめんだから!」
安田は冷たい目で見つめ、答えた。
安田「じゃあ、牛たちも人間に殺される前は、
あんたみたいに嫌やって喚いてるのに、
人間はそれを聞き入れるん?
ほんまに、人間って勝手やな...」
私は、安田の言葉に何も言えなかった
錦戸「まぁ、自分達は食すが、
自分達が食されるとは思ってないんやね」
錦戸はそう言うと笑った
「私は、絶対に逃げてやる...」
私は小声で呟いた
それを錦戸は聞いて笑った
錦戸「吸血鬼から逃げれるんやったら、どうぞ...」
そう言うと、
私の部屋に押し入れて、鍵をかけた。