第9章 血
私の本能は悟った。
「逃げなければ死ぬ」と
私は、抜けそうな腰を必死で起こして走り出した
錦戸が、私を捕まえようと飛び掛かる
錦戸「血や、獲物や!!!!」
私の背中を掴み、首筋に彼の牙があてがわれた瞬間、
安田が錦戸を取り抑えた
安田「亮ちゃん!落ちついてやぁ!!!!」
安田は暴れる錦戸を必死で抑えていた。
逃げるチャンスは今しかないと思い、
走り出したが、
私の目の前に一人の男の人が現れた
横山「また、亮か...」
彼はそう言うと、ため息をつきながら
錦戸に近づき、自分の腕を錦戸の牙に押し当てた
その様子に安田は驚き
安田「よ、横ちょ、な、何してんの!!!!」
横山は振り向くと安田に微笑みかけた。
錦戸は、血を飲んだ事で落ち着いたのか、
横山の腕からゆっくりと牙を離した。
横山「お前の腹へりの早さはなんや?」
横山の言葉を聞いて、錦戸はうなだれていた
横山は苦笑いしながら、
まだ血の止まらない自分の腕を押さえた
私は彼らを震えて見ていた
「あ、貴方たちは、な、なに?」
私の言葉に、横山は冷たい目線を送る
横山「たぶん、あんたの想像通りやと思うで..」
そう言うと妖しく笑った。
その瞬間、私の背中に悪寒が走った
逃げようとしたが
腰が完全に抜けて動けなくなっていた
そんな私を見て、
横山は顎を動かして、錦戸、安田に指示した。
横山「女は監禁しとけ」