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脱出せよ【黒子のバスケ】

第25章 国彦の手


目を開けると青い天井が目に入った。見慣れない天井に少し戸惑った。


「あれ…?」


目をこすってもそれは変わらない。あ、そうだ。私、変な所に来ちゃったんだ。

お兄ちゃんは…?

キョロキョロ見回すと部屋の隅っこで赤司くん達としゃべっている。

ムクリと起き上がると、一瞬フラついた。


「っ明!?………話し、聞いてたか?いつから起きてた?」

「え、聞いてないよ…。今、起きた」


お兄ちゃんはホッとした顔で近寄ってきた。
いったい何の話ししてたんだろ?


「咲姫ちゃん起きないね…」


ツンツンと頬をつつく。


「ん~…お腹しゅいたよぉ……」


ムニャムニャとしゃべる咲姫ちゃん。すると男子が全員赤くなった。


「今のはちょっと…ねぇ…」

「なんかスンマセン…」

「無意識なのが腹立たしい…」

「一瞬いとこということを忘れてしまった…」


うなだれる4人に首を傾げた。いったい何のことだろうか?

それを尋ねようとしたとき


ドドドドドォォォォ…………!!!!


激しい揺れが始まった。


「ぬわだすっ!何!?何ー!?目覚め最悪だよっ!ぬわだすって叫んじゃったよ!!!!」

「な、何だコレ…立てねっ…!!」

「わぁぁスンマセンスンマセンスンマセン!!!!」


揺れは止まる気配がない。


「な、何これ…!何で、いや、いやだ、いやだ…!何で止まらないの、何なの、コレ…!いや!!!!」


私は取り乱して思考回路が狂った。大きな音は昔から嫌いだ。

思わず耳を塞いでしゃがみこんだ。


「明っ!」


お兄ちゃんの声が聞こえる。ギュッと力強く体を包まれた。


「大丈夫、落ち着け。きっと大丈夫。」


ギュッと手に力を入れて守るように包み込んでくれる。でも…


「お兄ちゃん、手……手、無理しちゃやだよ、痛いでしょ…!いやだよ、また、また私のせいで…!」

「いいから…!」


視界の端に咲姫ちゃんが見えた。赤司くんが側についている。

小林くんと桜井くんも近くの壁に寄りかかっている。とりあえず全員無事なようだ。
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