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脱出せよ【黒子のバスケ】

第4章 俺と僕


やばい。やばいやばいやばいやばいやばい!

ここにきて当初の目的思い出したよ!私は音楽室の鍵を探さねばだよ!need to からのhave toだよ!


「………」


そろ~りそろ~りと言い合ってる人達をよそに私は体育館の扉を開ける。

……一瞬今吉さんと目があったけど口パクで『行っといで』と言っていた。

ならお言葉に甘えて。

さらば征十郎!!!


私は暗い廊下を駆け抜けた。


※※※※※※


「いやさすが!さすが私!ワッハッハー!」


なにが起きたかと言いますと。

ブレザーのポケットではなくスカートのポケットに鍵は入ってましたよ。ちゃんと確認して過去の私。

そして迷った。母親から天性の方向音痴と言われていたから自覚はあったけどまさか学校で迷うとは。

そして今リアル鬼ごっこナウ。


「金棒振り回す鬼がいるとか聞いてないんですけどー!?」


私を追いかけているのは鬼。着物着て頭から角はえて金棒持ってる鬼。

しかも真っ赤な血がついている。


「これはふざけてる場合じゃないかもぉ…!?ふざけるのやめたところで状況変わんないか。」


あーそっかあははー。私いちおう陸上部の人達より速いのよ。運動神経はいいの。アスリートばりに。

でもリアル鬼ごっことなると話しは別ね。先生がゴールでストップウォッチ持ってないわけね。

なんて走ってたら見覚えのある場所についた。


「わ!音楽室だ!」


見覚えがあるもなにもここしか来てないんだけどなっ!理科室とか走ったからここ以外も来てるけどなっ!


音楽室は扉を開けようとするが


「え!?開かない!?何で!?」


慌てて後ろを振り向けば金棒を振り上げた血まみれの鬼がそこにはいた。


「キャーーーーー!」


目をつぶた私の叫び声に続いてグシャッ!という何かがつぶれる音がした。

目を開けようとすると


「見ちゃだめー。」


と目をふさがれた。

この声…


「紫原君!?」

「渡辺ちん久し振り~。」


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