第4章 俺と僕

「ええんとちゃう？連れて行けば。」


そんな賑やかな雰囲気の中のんびりとした声が響いた。


「えぇ!?今吉さん本気ですか!?すみません！」

「本気や…いちいち謝らんでええで？渡辺さんが行きたい言うてるなら連れて行けばええんとちゃうかー。」


今吉さん………。会ったのは初めてだけど優しい人だな…。

って私なんか単純!?ときめいてるけど!?この胸のドキドキは何かしら的な恋愛ゲームのよくあるあるパターンだねこれ!?


「あー、笑った笑った。で、渡辺さんはどっちなわけ？」


あ、やっと復活したんだ高尾君。


「行きたいですっ！」

「ほな、決まりやな。」

「良かったじゃーん。」

「今吉さんありがとうございます！あと高尾君も！」

「ついでかよっ！」

「ううん！おまけだよ！雑誌買ったらよくついてる袋とじレベルだよ！開けるときのドキドキ止まらないやつだよ！よっ！人間袋とじ！」

「異名だっせぇ…それに俺のレベル低くね…!?」


あれ？私からしたら最高のレベルなんだけどなっ！袋とじは神なんだけどな！私は袋とじを開けるためだけに産まれてきたと言っても過言ではないよっ!!!


「…どうしますか？赤司君。」

「僕は反対だな。」

「聞っこえっませーん！征十郎の声なんて聞こえないんだからっ！聞かないんだからっ！鼓膜破れてるんだからっ！」

「いやそれは病院行けよ…。」


あ、花宮さんこれは失礼。


「だがしかし、ここには病院がないのだよでございます…」

「俺の真似をしようとしていろいろ間違ってるからすぐにやめるのだよ！」


あれれれ？間違ってる？おかしいなー。完璧なのになー。パーフェクトなのになー。


「話しを元に戻しましょう…。私は咲姫ちゃんに外へ出てほしくないわね。危険だもの。」


実渕先輩の裏切り者……！


「大丈夫です！………ﾀﾌﾞﾝ」

「ボソッとたぶんって言ったのバレバレだからね…？俺も反対かな。」


ひ、氷室さんまで!?エレヤンの氷室さんまで!?イケテルメンズでエレガントヤンキーのあなたまで!?