第20章 ***とともに
「あは、あのお人形ちゃん。ちゃんと仕事してくれたのか。」
目の前には、フードをかぶった男の子。
ここはどこだろう。なんだかフワフワする。
「ごめんね、少し挨拶をと思ってさ。ねぇ君、僕が今から言うことだけは忘れないでね。
『現実はどこにある?』
このことを忘れなかったら君は大丈夫。さぁ行っておいで。」
「な、何なの?」
フワフワタイムが終わってホッとするが、私はどこにいるのかわからなかった。
学校は学校でも、雰囲気が全然違った。
「咲姫ちゃん!」
キョロキョロしていると、聞き慣れたオネェ声が聞こえてきた。
「実渕先輩!黛先輩、葉山先輩、根武谷先輩も!!」
洛山高校の先輩達だ。
「お前、どうしてここに?」
「色々あったんですよ!それより先輩、ここどこですか?」
「なんか、本当の廃校みたいだな。調べたところ施設を作る時に廃校のほとんどをリフォームしたんだが、ここはリフォームされずにそのまま廃校が残っているんだ。」
黛先輩の説明に、私は納得する。確かにここは古びている。
「ここにはあの化け物達いないから安心していーよ!」
葉山先輩が元気づけるように言ってくれる。
「そしてこの施設に関する資料が至る所にあるわ。全部探すのは骨が折れそうだけど、頑張らなきゃね。咲姫ちゃんも手伝ってくれるかしら?」
「もちろんです!速読は得意ですよ!内容は全然頭に入ってこないけど!」
「それ意味なくねぇか?」
根武谷先輩に痛いところをつかれたがそこはポジティブにいこう。
「ちょっとあんた達!」
そんな私達に気が強そうな女の子が話しかけてきた。