第18章 笑えや笑え
「じゃあちょっと見てきますね?」
アディオス★と廊下を走ろう……とした。
「咲姫ちゃん、僕も行きます!」
「え、敬語。てかなんで?」
「それは…………好きな女の子を一人で行かせるわけにはいきませんから!」
うへぇぇぇぇぇ……!?
やばい。私の顔絶対赤い。
小林さんなんか目を見開いちゃってるし。真っ白な肌がリンゴみたいだし。
「ごめん桜井。なんか俺、お邪魔だったな……………頑張れよ。」
バタンと保健室のドアを閉めた小林さん。
私たち二人は廊下に出された。
「あ、す、すみません!変なこと言って…!」
「う、うぅん気にしないで!小林さんも大げさだよねぇ…!しゃ、シャレになってませんよー!」
保健室のドアに余計なことをと蹴りを入れてやった。
小林さんの無様な悲鳴が聞こえてきたがもう知らない。
「歌が聞こえてきたのはこっちだよね?」
「は、はい!合ってると思います!」
わぁー……。気まずいよこれは。
てゆーかあれ?あれだよね?私告白されたんだよね?コクハクサレタヨネ?
え、返事しなきゃだめ?あの青春ラブストーリーがここで幕を開けるの?
(ダメだ何も言えない)
よし。切り替えよう。シャキッとするのよ私。
と心持ち前を向いたら
「みーつっけた♪」
少し前方に
私がいた。
「!?良ちゃん、見間違えかな?私がいるよ?」
「ぼ、僕にも咲姫ちゃんに見えます…」
「間違いなんかじゃないよぉ?」
くすくすと笑う目の前の私は洛山の制服を着ていて。本当に瓜二つ。
「あ、あなた何者!?」
「そんなこと、どうでもよくない?それよりさ!」
彼女の手が私の心臓らへんに
入ってきた。