第18章 笑えや笑え
わぁらぁえ
わぁらぁえ
あーかいみーなるきのしたでー
おそとであそべばおーちであそぼ
おーちにまよいこんたこねこちゃん
こちらにおいで
きみがわらえばおはながさくよ♪
「んー………」
誰か、歌ってる?
おかげで目が覚めたではないか。もっと静かに歌ってくれ。
「咲姫ちゃん、今歌ってました?」
「歌ってないけど……敬語やめない?小林さんは?」
「んー?僕さっきから起きてたけど、この歌ずーっと聞こえてきてるぞ?」
小林さんの声は外から聞こえてきた。
「むふふーモフモフー!」
ニコニコ笑って布団にくるまっているのは
「え、良ちゃん。あんな天使いたっけ?あんな純白天使いたっけ?」
「咲姫ちゃん落ち着いて!小林さんだよ…」
お、良ちゃんの敬語ぬけた!言ってみるもんだね!
「何で布団にくるまっているんですか?」
「照明ガードに丁度いいんだ。」
これでもう大丈夫!
とどや顔。うん。それでも天使。
あーそぼーあーそーぼー
いーっしょーにーあーそぼー
「まだ続いてますね。歌。」
「外、出てみるかい?」
小林さんの一言で私はドアを開いた。
ふーたつめーのーあーのこはー
わーたーしのぉおともだちー♪
そして気づいた。
この声は
「私……?」
あーそぼーあーそーぼー
いーっしょーにーあーそぼー
えーいーえーんーにー………
そこで歌が止まって再確認できた。
「渡辺さんの声だね?」
「わ、私は歌ってません!こんな歌知りません!」
私にもわけがわからない。
でもこれは正真正銘、聞き慣れた自分の声だ。