第18章 笑えや笑え
「ねーてーるー!?」
小林さんがなかなか出てこないなーと思ったら安らかな顔して寝ていた。
2メートル近い大男なのに可愛い。え、なにこの天使は←
「起こした方がいいんでしょうか……」
「ほっといていーと思うよ?むりやり起こすと寝起き悪いし…」
スヤスヤと寝ている小林さん。
「………寝るか。」
「え?寝るんですか?」
ベッドは広いので小柄な私たちは入りそうだ。
二人でベッドに入って川の字で寝る。
カーテンを閉めると真っ暗だった。
「ではおやすm……」
「咲姫ちゃん!?」
「良ちゃん静かに」
「すみません……」
しばらくすると寝息が二つになり、やがて三つになった。
~ヴィクトリアside~
「バカなの?あなた。」
「べつに。」
目の前ですねて体育座りしている、あの子。ここは校長室。
渡辺さん、ごめんなさい。別館に校長室なんてないの。本館にあるの。でも、あなたに本当のことを言えば無茶をするでしょう?
「タイカが来たからってすねないの。」
「すねてないし。」
すねてるじゃない。とは言えなかった。
「あなた、いつまでこんなことやるつもり……?」
ピリッとその場の雰囲気が変わった。
(所詮は子供の反抗期ね。)
だが全く動じない。
「決まってんじゃん。ぜぇーんぶ終わるまで。」
「終わってるわ…
あなたも知ってるんでしょ。あいつはもう死んだの。」
あいつ、と言った瞬間に自分の感情が沸き上がるのがわかった。
(私も子供ね…)
ため息を一つ。
「知ってるよ。でもね、あいつの家族は生きてるでしょ。」
「そうね。でも、また間違えたわね。」
「……うるさい。
ま、殺すだけだけど。」
笑った。こうなればこの子は止められない。止める術を私は知らない。
あぁ、渡辺さん。
あなた、もうここから出られないわね。
(そう思って笑う私も、
狂っているのかしら………ね?)