第17章 開眼
強風がやんだと思ったらなんと美術室にいた。
「ふぅ……。危なかったわね。」
「うん。ごめん。何がどうなってたか全然わかんなかったから何が危なかったのか説明してもらってもいいかな?」
「あなた達の命よ」
「ストレートですね…。」
リアちゃんがケロッと言うので少し、いやかなり引く。どん引き。
「…何がどう危なかったんだい?」
「命がものすごく危なかったのよ。」
駄目だ。リアちゃん、天然だ。
「へえ。そりゃ大変だ。」
「小林先輩、むりやり納得しないでください。」
黒子くんにそう言われてテヘペロ★と言ってたけど……………もう金輪際やめてほしい。
「誰かと話していたようだが……」
「あぁ、あの子。いいわ。気にしないで。タイカに主導権にぎられてイライラしてるのよ。」
困った反抗期よね。
と肩を落とすリアちゃん。ごめん。どーゆーことかな?????
「それにしてもあなた達、どうしてそう体育館から出るの?」
このうえない呆れ顔でそうリアちゃんが言えば、その場にいた全員が私を見ていた。
え、リアちゃんあなた達とか言いつつ私を直視するのやめてくれない?
「この施設には元々6人いたの。タイカと私と香太郎と他に3人。
このさいだから言わせてもらうけど、復讐心に飲み込まれてるのは一人だけなのよ。」
コンマ一秒停止。
「あ、あの、そ、れ、…はつまりその…」
「倒すべき真の相手はただ一人、ね。お邪魔虫はたくさんいるけれども。まぁ体の一部分を香太郎は浸食されているみたいだけれど。」