第17章 開眼
体育館中がまばゆい光につつまれて、リアちゃんが消えて。
こーちゃんが目を覚ましたら泣いてしまった。誰にも涙を見せないように声も出さずに丸まって泣いていた。
長い沈黙が体育館に続いていた。
そんな空気、私むりー!と
こっそり体育館から出てきてしまった今日この頃←
……………でもさ、なぜか私の隣に征十郎がいるのが不思議なんだけどなー……
私の行動先読みしたみたいについて来やがって。
「あ、エンペラーアイか。中二くさっ。」
「咲姫、僕の技を馬鹿にするのはやめてくれ。」
あーすんませんすんません!!
「てゆーかさぁ、なんでついて来ちゃうかなぁ。」
「咲姫を守るのは僕の役目だからね。」
「……おーおー我がナイト様。」
征十郎の中二病につきあうのも疲れるものだ。
残念なのは本人に自覚がないこと。
「はぁ………プロポーズのつもりなんだけどな……」
「?」
プロポーズ?????
え、どこが…
「まぁなんでもいいか。」
「いいのかよ…」
フワァッと風が吹いた。
「またー……?」
あの森だった。風とともに急に出現するあの森。
私は脱力した。もうやだなんなのここ。
「そんないやっそうな顔しなくても……」
「そうですよ。いつもみたいに開き直ってください。」
「騒々しいことこのうえない……わね。」
「え!?なんかひどくないですか!?ていうか何で黒子くんがいるのかなっ!?リアちゃんもどうしているのかなっ!?」
わーおびっくり。
小林さんは木陰で本を読んでるし、黒子くんは明らかに寝てたっぽいし(彼が今、寝ころんでいるのが何よりの証拠。)、リアちゃんなんかごく普通に突っ立っている。
「あそこは私は消えました!って雰囲気だろ!」
「あら、消えるつもりだったわよ。タイカがじゃましただけよ。」
「黒子くんも!なんか異次元いってますみたいな感じだったのに!」
「小林先輩にじゃまされました。」
「なんで二人とも俺のことじゃまってゆーの!?怒るよ!?」