第14章 モード、1。振り出しに戻る。
ダンダンダンダンダンダンンダン!
突如、狂ったようにドアがたたかれた。
私はハッとしてどこか隠れる場所を探した。
「心配、ないわ。あなたと同じ人間よ。」
「な、なんでそう確信できるのー!?開けてキャー!ってなったらどうするの!?」
「……むしろこのまま開けない方がキャー、だわ。後方5メートル。来てるわね。」
なにが?とは聞かなかったし聞きたくなかった。
「えーーーい!開けーゴマ!」
中から鍵を開けて扉も開ける。人が数人入ってきたのと外にもう誰もいないのを確認して扉を閉めて鍵も閉めた。
「わー!死ぬかと思った!」
「おい高尾、黒子が死んでいるのだよ。」
「ぅ……」
高尾くん、緑間くん、黒子くんだ。
「おぉ!3人とも無事だったんだー!ヤッホー!」
と手を振ってニャハッと笑うと私めがけて罵声が飛んできた。
「ちょっと!渡辺さん何してくれちゃってんの!?」
「赤司が大発狂してたのだよ!!!」
「僕もちょっと巻き添え食らいました……」
「うん?征十郎のことはよくわかんないけど…黒子くん、その死んだ体勢で言われてもさ。」
とにかく黒子くんを死ぬなーとペチペチたたく。
「………にぎやかなお友達ね。再会できて良かったわね。」
彼女の声にばっと顔を上げた三人が、息をのんだのがわかった。それほど、彼女は美人なのだ。
「自己紹介、まだだったわね。ヴィクトリアよ。リアって、皆、そう………呼んでたわ。」
フッと微笑む彼女はどこかはかなげで幻想的。まるでどこかの国のお姫様だ。
「えっと………リアちゃんでいいんだよな。俺高尾和也。よろしく!」
「緑間真太郎なのだよ。」
「黒子テツヤです。」
「渡辺咲姫!元気一杯全力で頑張ってます!」
彼女は再び微笑んだ。
「捨てたもんじゃないわね、死後の生活も。」