第11章 気にしない
『どうすル?』
テレパシーでそう伝わってきたが、私にもどうするべきかはわからない。
『やっぱ…帰ってもらったほうが…』
『僕もそうしたいけどむリ。僕の力はなんでもありのスーパー能力じゃないかラ。それなりのリスクをともなうんだヨ』
え、と改めて佐藤君を見た。
苦しそうに荒い息を繰り返している。汗もたくさんかいていた。
手を握ってみる。汗をかいているのに更に冷たくなっている。
「ん?お前、大丈夫か?」
「大丈夫…!時間がなイ…もうそこまで来てル!!!お兄さン、お姉さんを連れて逃げテ!」
「は?なにからだよ?」
青峰君は理解できないというように?マークをとばす。
その時
ドドドドドド
地面が震えた
「え!?なにこれ!?」
「まさかあの化け物どもが集団で来てるのか!?」
「そうだヨ!だから逃げテ!」
「おめーはどうするんだよ!」
「僕はいいからってさっきから何回言わせるんだヨ!?」
「はぁ?ふざけんな!」
そう言うと青峰君はこーちゃんを肩に担ぎ上げた。
「えエーーーーーーっ!」
「逃げんぞ渡辺!」
「おっけー!」
それを合図にフルダッシュ。
さすが青峰君!
「マテェェェェェ」
「マァテェェェェ」
「マァァテェェ」
「なんだあれ!バイ●ハザードか!?」
青峰君が叫ぶ理由もわかる。
一言で言えばゾンビ。そんな化け物に追いかけられているのだから。
「ていうかこいつ大丈夫なのか!?」
そんな青峰君の肩でぐったりとしているこーちゃん。
「ハァ……ハァ……ッ…あ、おみっね君!」
「あ!?どうした!」
「ごめん!!!!」
「はぁ!?てうぉ!」
階段の前で思いっきり青峰君を左に押す。
そして私は一気に駆け上がる。
化け物達は私を追ってきた。