第10章 雑談
「…なによ。あんた本当に嫌なタイミングで私の前に現れるね!?あっちいけー!」
グイグイと背中を押すが全く動かず。
「だー!出てけよ!征十郎なんて嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い!」
「わ、渡辺さん赤司相手に一歩もひいてねー……」
「すごいですね……」
「頑張って……!」
三人の声援(?)に応えるべく私は必死である。
「だいたい!あんたは昔っからデリカシーってもんがないのよ!」
「それは咲姫だろう。」
「そ、う、い、う、と、こ、ろ、よ!?」
征十郎にバーーーッと悪口を連発。
しかし、ポーカーフェイスに変化なしっ!
しかもあの三人もう一つの体育館に行っちゃったし!
「そんなに僕が嫌いかい?」
「うん!今更なにを言う!?」
『お姉さーーーーン!』
すさまじい言い合いをしていればテレパシーがきた。
『何!?ごめん今必死の戦闘中なんだけど!?』
「僕は咲姫が好きだけどな。」
「うん。私は嫌いね!?」
『いったいなにしてるノ!?ていうか大変!皆がこの体育館に来てル!』
『皆って!?』
『理性を失った人達!』
「誕生日にスポーツカー送る男子なんて嫌よ!?」
「それは残念だ。」
テレパシーしながら征十郎に悪口言いまくってる私すごい!と自分に拍手を送っていた思考回路が停止した。
『え……?それものすごくやばい?』
『やばいヨ!体育館に入れないなんてことなかったみたイ…。いヤ、レベルアップしてるって言う方があってるかモ。』
『それ、どうすれば……?』
『はっきり言って今回のターゲットはお姉さんだから十中八九お姉さんを狙ってここまできてル。だから僕と一緒にここを出て欲しいんだけド…。』
そこで彼は言葉を濁した。
『今お姉さんの目の前にいる人がきっと反対すル…いや、それはここにいる全員カ。』