第9章 再会
「おい征十郎!こういうときは嘘でも心配したとか言うもんだよ!?」
「心配した」
「感情こめて!!!!!」
ひどい。ひどすきた。
「……赤司君の気持ちもわからなくはないですが、今は素直に喜びましょう。」
ポンと黒子君が征十郎の肩に手を置いた。
「…わかった。」
「えー!?何が!?思ってることがあるなら言ってよー!?」
「まぁまぁお姉さン。男の嫉妬は醜いねってことサ。」
佐藤君は。私にギュッと抱きついてニヤリと悪魔のように笑った。
…そして征十郎のこめかみに血管がうかぶ
ごめん。ぜんっぜんわかんない。
「………どういう状況なのこれ」
「…鈍感なのかな?」
「氷室さん…。見てないで助けてください。」
がしかし誰も助けない。
「僕は佐藤香太郎。よろしくねお兄さン。」
「よろしくするつもりはない。」
バチっと火花が一瞬見えた気がした。
「うん。もう勝手にやってて。私お腹すいたしっ!いこっ!さつきちゃん!」
「オッケー!」
「あ!俺も行くわー。」
「ぼ、僕も…すみません!」
高尾君と桜井君とさつきちゃんと私とでもう一つの体育館へ。
そこには缶詰めやらの保存食がたくさんあった。
「ふぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!?ナニコレーッ!夢みたいだね!?クッキーこれ全部食べていいの!?みかんの缶詰めもらっていいのーー!?無料なのーーっ!?」
「咲姫ちゃんはしゃぎすぎ!」
「だってだってしょうがないじゃん!?金欠で毎日毎日、征十郎にブランドのクッキーおすそ分けされてる惨めな気分をすることはもうないんだよ!?」
「そんなことしてたんですか!?」
いやいや桜井君。こんなの序の口だって。バレンタインデーにふざけて
『お返しはワイハー旅行でいいよっ!?』
と言えばホワイトデーの前日にはパスポート持って征十郎と空港いたからね?
ビジネスクラスだったからね?