第3章 アウェー感
「真太郎、どういうことだ?」
静かな征十郎の声だったけど、その声には怒りが混じっていた。
「どうもこうもないのだよ。探索していたら渡辺がいた。それだけだ。」
聞かれても困る、という風に今度は緑間君が怒ったように他の人の所へ行ってしまった。
同じオレンジ色のジャージ着てるから一緒の高校なのかな?緑間君ってどこの高校行ったんだっけ。
てそれより……
さっきからずっと征十郎が私のこと見てるんですけど!?私これどうしたらいいの!?待って。遠巻きに眺めてる人待って。
「あのー…」
ポリポリと頬をかいてやってきたのは黒子テツヤ君。
正直いきなり出てきてびっくりしたけど!びっくりしたけども!そんなことしてる場合じゃないねこれ!?
やめて。本当にやめて。今泣きそうだから本当にやめて。
「赤司君、渡辺さんが半泣きです。」
「……わかっている。」
すると征十郎は180度回って洛山の人達の所へ歩いていった。あ、先輩達みんないるー。
ていうかなにこれ。空気最悪じゃん。どうしてくれるのこのアウェー感。
黒子君に話しかけようとしたらミスディレクションして誠凛の皆さんの所に戻ってなんか話してるし。
「なによこれ。新手のいじめ……?」
ならいっそ開き直るか。このぼっち感さいこー!とか言ってスキップするか。
いやいや、絶対しない絶対しない!
チラチラ見てくる人はいるんだけどなー…。しゃべりかけてくる人はいないか。
まず私にはこの状況がわからない。音楽室で目が覚めれば男の子に追いかけられ緑間君にかつがれただけなのだ。
だけで表せる内容ではないがだけなのだ。
よく見てみれば、洛山、陽泉、誠凛、桐皇、海常、秀徳と霧先第一の花宮さんがいる。
どの学校もチラホラいない人はいるがだいたいレギュラー陣だ。
「咲姫、ちょっとおいで。」
やけに上から目線なのはなぜだ。
征十郎。